【形は同じ、でも“景色”は変わる】

【形は同じ、でも“景色”は変わる】

プリンセスラインドレスのオーダーをいただきました。

今回で3着目(嬉しいです✨)。

形はずっと同じ——けれど、そのたびに選ばれる素材は違います。

洋服は、同じ器に違う紅茶を注ぐようなもの。

器は変わらなくても、香りも味わいも変わるように、素材が変わるだけで服の表情も役割も大きく変わっていきます。

今回選ばれたのは、上質な風合いを持つツイード。

夏以外の季節に活躍してくれて、「ここぞ」という日の一枚として寄り添ってくれる頼もしさがあります。

裏地はベージュにして、ツイードの表情が主役。

あえて装飾は加えず、形もディテールもそのまま。

引き算の美しさを大切にした一着に仕立てていきます。

 

⚫︎ツイードが持つ魅力

・糸の重なりが奥行きを生む

・陰影が出ることで体のラインを優しく見せる

・凛としているのに、どこか温かみがある

・流行に流されない安心感

まるで静かに佇むアンティーク家具のような存在感。

派手ではないのに、そっと目を引く。そんな素材です。

 

⚫︎同じドレスなのに、印象が全く違って見える理由

・ハリの違い → シルエットの出方が変わる

・表面感の違い → 光の映り方が変わる

・色のトーン → 纏う空気感が変わる

・着心地 → 日常向きか、特別向きかに影響

つまり形は同じでも、“雰囲気”は無限。

プリンセスラインのように、体を美しく見せる土台ができていれば、あとは素材で“どんな自分でいたいか”を選ぶだけ。

そんな楽しみ方ができます。

 

⚫︎素材が変わると、シーンも変わる

・デイリー向き→ 軽やかな素材

・フォーマル寄り→ ツイードや、少しハリのある素材

・季節感を添えたい→ ウール混・質感のある生地

おもしろいのは同じ形で、どのシーンにも寄り添えること。

服を変えるのではなく、素材を選び替えるだけで人生の場面ごとに寄り添ってくれる——

そんな“マイベーシック”が育っていきます。

 

一度、似合う形が見つかると服選びはぐっと楽になりますよね。

今回のドレスも、仕上がりがとても楽しみです。