【違和感の正体と、袖を通して見えた新しいバランス】

【違和感の正体と、袖を通して見えた新しいバランス】

お気に入りのVネックワンピース。

シルエットも色も気に入って購入されたのに、なぜかしっくりこない――。

そんなご相談をいただいたのが、今回のリメイクのきっかけでした。

お話を伺いながら全体を見てみると、裾まわりがたっぷりと二重仕立てになっており、生地も分量も豊かで、裾にしっかりと重みがあるデザイン。

それが、お客様の肩のラインや体のバランスと少し噛み合っていなかったようです。

はじめは「裾まわりを少し絞ってみようか」という案も出ましたが、同時に「やっぱり袖は欲しい」とのご希望がありました。

そこで、メゾンドエヌで定番のフレアスリーブの型紙を合わせてみたところ、デザイン的にも雰囲気的にもぴったり!

その瞬間に、お客様の表情がぱっと明るくなりました。

 

次に選んだのは、花の刺繍が浮かぶオーガンジー素材。

透け感のあるシアーな生地が肌にふんわり溶け込むようで、ワンピースの柔らかな色味にもとてもよく合っていました。

上半身に軽やかさと動きが加わったことで、

裾のボリュームが不思議と自然に馴染み、全体のバランスが整って見えたのです。

“重さと軽さのバランス”が生まれた瞬間でした。

袖を当てただけでも全体の印象が変わり、「このバランスならすごくいいね」とお客様と一緒に感じられたのが嬉しい時間でした。

このあと縫製担当者と細かく打ち合わせを行い、仕立て方や袖の縫い合わせ方法など、いくつかのパターンをご提案。

最終的な仕様を決めてから、リフォームがスタートします。

 

すぐにその場でお直し方法や見積もり出すことが難しいこともありますが、少しお時間をいただければ、丁寧に打ち合わせしながら形にしていきます。

そんなやりとりを重ねながら、“お気に入りをもっと好きになるリフォーム”がこれから始まります。

今から仕上がりがとても楽しみです。