【お気に入りのパンツをもう一度 ― 丈を整えて、新しい表情へ】

【お気に入りのパンツをもう一度 。丈を整えて、新しい表情へ】

お客様のお気に入りのパンツのリメイクのご依頼をいただきました。

最初に購入された時は「いいな」と感じたものの、お家で履いてみると、なんとなく丈のバランスがしっくりこなかったそうです。

お話を伺う中で、「もう少し丈を長くしたら、もっと好きになれそう」ということで、裾を伸ばすリメイクをご提案しました。

裾の始末を確認すると、縫い代は約1センチ。

その上に「見返し」という布が付いており、元の生地だけで丈を出すのは難しい構造でした。

そこで、あえて“異素材を組み合わせる”方法をご提案。

似た素材よりも、少し違う質感の生地を合わせると、意外と自然に馴染むことがあります。

今回は、私自身もよく使うオーガンジーの軽やかなシアー素材を採用。

たくさんのカラーカーの中から、黒を選びました。

光に透ける繊細な黒が、もとのパンツにもよく合いそうです。

生地は二重にして、パンツの「縫い代」と「見返し」の間に挟み込む仕様に。

リフォーム担当者がその場に不在だったため、構造を共有するために分かりやすい手描きの図を描いてくれました。

こうしてチームで情報を共有しながら、お客様に安心してお任せいただけるようにしています。

もともと裾にはステッチがありましたが、今回はその跡をできるだけ目立たせないよう、

手まつりで丁寧に仕上げていく方法を選びました。

お気に入りの一着が、少しの工夫でまた新しい魅力を放つ瞬間。

仕上がりがとても楽しみです。