【ニュアンスを壊さないカフスのリフォーム】

【ニュアンスを壊さないカフスのリフォーム】

お気に入りのマルニのシャツワンピース。

一見シンプルに見えますが、パーツごとに素材感が少しずつ違い、よく見ると濃紺と黒がさりげなく使い分けられている。

派手ではないのに、確実にこだわりがある、そんな一着です。

ご購入時に袖丈を少し上げすぎてしまい、インナーを着たときにカフスからわずかに見えてしまう。

着ていると、やっぱりそこが気になってしまいますよね。

そこで今回は、カフスの付け替えリフォームを承りました。

まず考えたのは、このワンピースの空気感を壊さないこと。

素材サンプル帳を数多く見てきた中で、「あ、これが合うかもしれない」と思い浮かんだ生地がありました。

実際にお洋服に当ててみると、驚くほど自然でした。

使用したのは20番の黒。深みがありながら、マルニ特有のニュアンスを損なわない質感です。

もともとの袖は、一見ベーシック。

けれど実は、脇下側と肩側で丈のバランスが絶妙に設計され、カフスが少し上がるような構造になっています。

その面白さはそのままに。バランスを崩さないよう、カフスはやや長めに設計しました。

付け合わせ仕様にし、袖口はほんの少し広がるラインに。

オリジナルはボタンホール仕様ですが、今回はループ留めにして、少しだけエレガントな印象へ。

こうすることで袖丈にゆとりが生まれ、インナーが見えにくくなり、全体の印象もほんのり上品に整いました。

リフォームは、ただ直す作業ではありません。

お客様がどう着たいのか、どんなふうに整えたいのか、丁寧にヒアリングを重ねながら、理想と現実のバランスをすり合わせていきます。

図面上のイメージと、実際に仕立て上がった姿は、わずかに印象が変わることもあります。

だからこそ、その差を埋める微調整がとても大切。

元のデザインを尊重しながら、より着やすく、より整ったバランスへ。

お気に入りを、もう一段好きになるためのリフォーム。

そんな一着になりました。

今回のリフォーム代は、税込9900円です(生地代は別途)。