【手放さなくてよかった、と思える一枚へ】


【手放さなくてよかった、と思える一枚へ】
もう10年以上前に購入したスカートでした。
とにかくプリントが面白くて、白地なのに不思議と記憶に残る一枚。
気に入ってはいたけれど、丈が合わなくなり、いつの間にかクローゼットの奥にしまったままになっていました。
ある日、ふと「やっぱり履きたいな」と思ったんです。
白だから、これから先どれくらい着られるかわからない。
だったら、今の自分で一度きちんと着てみよう、と。
もともとの丈は膝上。
今回は全体で15cmほど長くすることにしました。
スカート本体の縫い代から2〜3cmを出し、残りはオーガンジーで足す。
その配分が、このリメイクで一番大切なところでした。
丈を足すときは、単に長くすればいいわけではありません。
本体と足した生地の比率が少しでも崩れると、急に取ってつけた印象になる。
今回は縫い代を最大限活かし、オーガンジーは13cm。しかも一重ではなく二重にして、色と分量のバランスを整えました。
結果、プリントの世界観を壊さず、むしろ奥行きが増した一枚に仕上がりました。
シアーな素材と軽さのあるスカートなので、今の時期は足元に重さのあるブーツを合わせています。
ショートブーツでもいいし、季節が変わればまた違う表情になる。
シーズンを限定しない着方ができるのも、この丈感だからこそです。
このスカートの形は、とてもシンプル。
だから年齢を重ねても、ずっと着られる。丈は変えられるし、今の自分に合わせて更新できる。
気に入っているからこそ、合わなくなった時点で諦める必要はありません。
素材によって、できること・できないことはあります。
でも、処分する前に一度手を入れるだけで、また着られるようになることも多い。
生地を少し足すだけで、気持ちまで変わることもあります。
「丈が合わないから」「今の自分には無理だから」そうやって眠らせている一枚があるなら、ぜひ一度ご相談ください。
手放さなくてよかった、と思える服は、案外すぐ近くにあります。




