【Remake|もう一度着たい服へ】

【Remake|もう一度着たい服へ】

履き心地がよくて大好きなのに、なぜか手が伸びないパンツってありませんか。

今回お預かりしたのもまさにそのタイプで、「あと本当に少しだけ丈が長かったら…」という理由でクローゼットの中で眠っていた一本でした。

縫い代を伸ばそうと思って確認しましたが、裾には見返し処理がされていて、表地ではどうやっても丈が足せない仕様。

似た生地を探す方法もありますが、元々特徴のある立体的な織りの素材なので、似せようとすると逆に違和感が出てしまいます。

そこで、あえて全く違う質感のオーガンジーを合わせました

オーガンジーは、丈を足すときにとても相性の良い素材です。

透け感と軽さがあるので、“継ぎ足しました”という主張が出すぎず、まるで最初からそのデザインだったかのように馴染みます。

少し光が揺れるようなニュアンスが、既存の生地の凹凸と自然に呼応してくれて、控えめなのに上品なアクセントになるのが魅力です。

今回は3.5cm伸ばしただけですが、パンツの見え方がガラッと変わりました。

服のリメイクは、大きく変えることだけが正解ではありません。

ほんの少し手を加えることで、その服がまた日常に戻ってくることがあります。

眠っていた服が、また着たい服に変わる瞬間は、いつも少しドラマのようで、静かに嬉しくなるものです。

今回のリメイク代は、税込 7,150円(副資材込み)です。

手放す前に、もう一度チャンスをあげたい服があれば、ご相談ください。