【トレンチコートのセミオーダーに込めた“出会い”】
長澤弘美
【トレンチコートのセミオーダーに込めた“出会い”】
ブラウンとホワイトの柄が印象的なトレンチコートのセミオーダー、ありがとうございます。
生地を選ばれるとき、「どの色にしようか」とじっくり悩まれていました。
いくつかある中で、最終的に選ばれたのがこちらのブラウンの生地。
これまでお召しくださったお洋服との相性を考えても、この色味がいちばん自然に馴染むだろうと決められました。
柄物は「ピンときた瞬間が出会い」だと思っています。
まるで人とのご縁のように、心が動いたときに選ぶのが一番しあわせな選び方。
その瞬間を一緒に共有できるのは、セミオーダーならではの楽しさです。
サンプルの裏地は落ち着いたピンクベージュを使っていましたが、お客様はあえて華やかなガーデンプリントをセレクトされました。
最初は少し迷われていましたが、私は心の中で「きっとお似合いになる」と確信していました。
「ご心配いりません。きっと素敵に仕上がりますよ」とお伝えすると、安心されたように笑顔で「では、ぜひこれで」と。
その瞬間、信頼でつながるお仕立ての時間の尊さを感じました。
ボタンもお客様ご自身で選ばれたもの。
細部まで自分らしくカスタムできるのが、セミオーダーの大きな魅力です。
トレンチコート自体は、オーソドックスで普遍的なデザイン。
年齢を重ねても、ずっと長く寄り添ってくれる一着になると思います。
着るたびに馴染み、風合いを増していく“育てるお洋服”になっていくはずです。
これからも、そんな“出会い”と“信頼”を重ねながら、お客様と一緒にお洋服づくりを楽しんでいけたらと思います。
それでは、出来上がりをどうぞお楽しみに。
