【あえて変えなかった“形”の力】

【あえて変えなかった“形”の力】

いつもお仕立てさせていただいているお客様から、大切なセレモニーのための特別な一着をご依頼いただきました。

ベースにしたのは、普段もよくお仕立てしているワンピース。

だけど今回は、足首までのロングドレス丈に。

そして、生地には軽やかで美しい透け感のある、シフォンジャカードを選びました。

表情のあるジグザグ模様が浮かび上がるよう、身頃には同色のネイビーの裏地をつけて、透け感は最小限に。

一方でお袖には裏地をつけず、肌にほんのりなじむような透け感を活かします。

肌が透けすぎると印象が変わりすぎるため、“凛とした美しさ”を損なわないよう、細かく調整していきます。

「やっぱり、何も飾らないこのシルエットが、一番似合いますよね」

とお客様と話し合いながら、デザインはあえて変えずに、素材と丈だけで雰囲気を変えることに。

今回の生地は初めて使うもので、仕上がりがどうなるか、お客様も私もドキドキ、ワクワク。

そういうやりとりもまた、セミオーダーの楽しさのひとつです。

出来上がりまで、ぜひ一緒に楽しみにしていただけたら嬉しいです。